教育厚生常任委員会行政視察2日目は、埼玉県さいたま市にお邪魔しました。テーマは、不登校児童生徒のネットスクールの取り組みについて。さいたま市の「不登校等児童生徒支援センター(通称:Growthグロウス)」に実際にお伺いして現場の先生たちのお話をお聞きしてきました。
奥州市には似たようなものとして「適応指導教室(通称:フロンティア奥州)」が、こちらは基本的に定年退職をなさった先生方がスタッフとして活動しておられます。ところがさいたま市では現役の先生だけでした。予算規模が違うとはいえ、最初から驚きです。
グロウスは令和4年度、今年度から始まったばかりの取り組みです。主な事業内容はオンラインによる学習支援やホームルール、昼食会。他に日帰り体験や保護者向けサポートも実施しています。
さいたま市は不登校支援策として他に、教育支援センター・教育相談室等(市内6カ所)や、民間のフリースクールもあります。グロウスの利用対象者はこれらと重複している人もいますが、およそ170人ほどが登録しているとのことでした。不登校全体では約2,000人いるとのことです。
オンライン授業における通信環境については、機器を教育研究所から貸し出して使用料はその家庭での負担となっています。
オンライン学習支援は学習指導要領に沿ったものではなく、学校それぞれで授業の配信をしているのでそこまでの繋ぎ、意欲を高めるもの、という内容です。学校復帰優先ではなく、高校入試の際に求められる授業日数の確保である、という部分が目からウロコの驚きで、その他にも子供たちを社会から孤立させないことを主要な目的としているとのことでした。
都会だからなのか、予算があるからなのか、奥州市とは決定的に違うスタンスには本当に考えさせられました。