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会派視察(埼玉県行田市)

「総合計画の廃止について」をテーマに、埼玉県行田市を会派で視察してきました。

 

奥州市の第2次総合計画は令和8年度までがその期間となっています。奥州市議会においては総合計画における基本構想や基本計画を議決事項(※)としておりますが、私が所属する新奥会は当選2回以下の議員だけで構成されているため、総合計画の検討・策定への関わりというものをほとんど経験しておりません。次の総合計画は令和7年度から作業が始まり、改選後ではありますが、令和8年度中に策定される予定ですからそれに先んじて、なおかつ「逆に総合計画が無い場合はどうなるのか」という視点から総合計画について学ぶことにしました。

 

※基本構想だけを対象としていたものを、令和3年6月に条例改正し、基本計画まで議決事項を拡大。令和4年1月に第2次奥州市総合計画後期基本計画を承認可決。

 

平成23年に地方自治法の一部が改正され、自治体における総合計画策定の義務が外れました。それによって数は少ないですが、総合計画を廃止している自治体がいくつかあり、行田市は令和5年の市長選挙を受けて、それまでの総合計画の形を廃止し、4年を単位とする(※)新しい形での基本構想を策定して11月に議会で議決されています。

 

改めた背景には、新しい市長の思いを如何に反映させるか、従来の総合計画は10年を基本単位としており柔軟性に欠ける、といったことが挙げられました。新しい基本構想には、10年後の行田市をまるで絵本のようなストーリーに仕上げている、というのが一番の特徴です。そのため、市民にも目指す姿がイメージしやすい、と好評であるということでした。

 

メリットは他にも、従来の形だと策定までに2年という時間もかかり、また費用も1,500万円ほど要していたのが削減できた。総合計画の中の基本計画と、法定の個別計画との齟齬が解消できたことなどの話もありました。

 

現時点では、まだ1期目の進行中であるが、デメリットは感じていない、ということも述べられました。

 

議会からも特にこれといった問題点が指摘されておらず、従来の総合計画に変わるものとして、こういうやり方もあるのだな、と学ぶことが多い視察でした。

 

蛇足ながら、現在の行田市長は参議院議員も務められた行田邦子氏であり、母方の実家である遠野市で産まれたため、岩手県から来た私たちにわざわざ挨拶の時間をとっていただきました。