· 

令和7年度第2回臨時会

今日の臨時会で議論の中心となったのは、昨年友好都市協定を結んだアメリカ・トーランス市への野球チームの派遣でした。

 

大谷翔平選手がドジャースに移籍したことに伴い、ロサンゼルス市近郊のトーランス市からお声がかかって、経済交流をメインとした友好都市となったわけですが、そのトーランス市から昨年12月に、50年以上続けている日米親善野球に奥州市のチームを招待したい、というところから今回の派遣費用の議論へとつながっています。

 

議論にあたって、「では早速に…」といかない事情があります。

 

①アメリカには軟式野球がない。従って、硬式野球チームしか交流できない。

②ホームステイとなるため、中学生以上の学年を対象としたい、と先方からの要望がある。

 

奥州市からの派遣である以上、当然ながら市民が所属するチームを、となるわけですが、この2つの条件を満たすチームは存在しません。

 

かろうじて何名かが所属しているチームというのはあるのですが、奥州市民ではない方の分の派遣費用に市のお金を充てるのが妥当かどうか、が一つの議論のポイントでした。

 

また、教育委員会が海外研修としてオーストラリアに中学生を派遣しているのですが、その個人負担は17万円に対して今回は8万円と、同じ学生でも異なりというにも疑問を感じました。

 

「今回は協定締結の記念事業である」「これを更なる経済交流のきっかけにしたい」「子どもたちの海外進出の機会を作っていきたい」との説明もありました。職員の方々がいろいろと苦慮されてこの事業を組み立てたのはわかりますが、依頼とはいえ市外の方に補助するというのは異例のことです。協定は今後も続くものであり、派遣を急ぐ必要もありません。もっと時間をかけて説明し、今後の派遣の在り方を定めてから実施しても遅くはない、との考えから、私たちはこの事業費を削除する修正案を提出しましたが、賛成少数で否決されました。

 

今回の事業に賛同する人の考えとして「子どもたちの未来ある夢のために」ということを述べている人もいましたが、その子どもたちとは、誰のことでしょうか?奥州市の子どもたちは、野球をやっている子だけではありません。今まで野球によるまちづくりを表明したことのない奥州市が、ここにきて急に野球を押し出すのは、特定の個人・ご家族にすり寄るようにしか見えず、それはまちづくりとして、行政としてあるべき姿ではないと思います。

 

今まで討論する際にはそれなりに原稿を準備していたのですが、今回は気持ちが先走ってしまって、原稿なしで感情をぶつける主張をしてしまったのですが、今まで貫いてきた、彼との距離感を維持していく、黙って彼の活躍を応援していくのが一番だという考えに変わりはありません。